JPCA-日本写真著作権協会は2025年、写真著作権についてのテキストブック『考える写真著作権』第2版を発行しました。
2023年に施行された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」、通称、撮影罪という呼び名がひとり歩きをしたことで、スナップ撮影がしづらいという声も耳にします。「写真の醍醐味はスナップにある」と言われてきましたが、いま、表現と記録の双方の側面を持つ写真の魅力が失われつつあります。当会前会長・田沼武能も、「写真は、現在を撮ることはできますが、過去を撮ることはできません。後世に伝えなればならぬ現代人の暮らしの証言は、いま写真に撮っておく必要があります」と語っていました。
その一方で、フォトコンテストの応募要項には、「著作権は撮影者に帰属する」としながらも、「使用権は主催者にある」、または「著作権は主催者と共有する」というような内容が示され、さらに「著作者人格権不行使特約」が記されていることで、応募者である写真愛好家の方々が不安を感じているようです。
私たち写真を撮る者には、どのような権利があって、それをどう理解して活用していくべきなのか、いま改めて考えるときが訪れているのだろうと感じています。
このような状況の中、JPCAが開催している「写真著作権セミナー」などにおいて、「写真著作権を学べる本を作って欲しい」「『JPCA NEWS』のQ&Aページを本にして欲しい」という声をたくさんいただいたことから、『考える写真著作権』の作製に至りました。本書が多くの方々に写真著作権について考えてもらうきっかけとなることを願っています。
『考える写真著作権』
棚井文雄 加藤雅昭 共著
2025年10月13日 第2版
B6版 / 144ページ / 定価 ¥2,200_(税別)
ISBN978-4-9914083-0-4
取り扱い:フォトギャラリーインターナショナル/P.G.I
https://www.pgi.ac/

cover photo: モスクワ 1956年
渡辺義雄 HJPI320110000002
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